どようのつちのひクラシック音楽

どようのつちのひ 71

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イベール フルート協奏曲(1933)

フルート協奏曲を列挙する際、この曲を筆頭に上げる人も多いのでは無いでしょうか。近代フルート協奏曲の傑作。

全体で20分程度と協奏曲としては軽量級ながら、その中に急-緩-急の3つの楽章が詰め込まれた内容盛りだくさんの曲です。

1楽章は唐突に始まったかと思うのもつかの間、独奏フルートも十二音技法チックな不可思議な音列を奏でます。れっきとした調性音楽(1楽章はヘ短調)なのですが、何処か調性の外側に居る様な印象の音楽で、調性の枠を超えた色彩感の強さが際立つ音楽です。
この楽章の音楽は絶え間なく動き続け(こういった曲は常動曲とか無窮動とも呼ばれます)そして冒頭よろしく最後もあっさりと終わります。

慌ただしい曲だった1楽章から一転、2楽章は緩徐楽章。
1楽章と全く別の音楽の様ですが、1楽章で使われた旋律が随所に現れます。夢の中の様な浮遊感の有る音楽で、1楽章の出来事を回想しているかのよう。

終楽章は2楽章の夢の世界とは完全にお別れしてお祭り騒ぎ。
冒頭はジャズの様なリズミカルな音楽で1楽章の無窮動の様な流れですが、1楽章とは異なり曲間に緩徐部分が挿入されています。そこを抜けるともう一度冒頭の音楽へ。終盤のカデンツァ部分は短いながらもハーモニクスやフラッター等の特殊奏法も盛り込まれた技巧的なものです。そのカデンツァの流れのまま音楽は突き進み華々しく終わります。